業界歴10年目くらいのディレクターは損をしている
今日は何の生産性もない愚痴の回。
読んでも得られるものは何もありません。
しかし、
業界歴10年目くらいのディレクター陣には大いに共感してもらえるはず。
今回のテーマは、
『業界歴10年目くらいのディレクターたちは損をしている。』という話です。
だいたい2006〜2009年入社くらいまでの限られた世代のことです。
「損」の意味はラストまで読んで頂ければ分かります。
ADは奴隷。ディレクターは王様。
僕が新卒ADでテレビの制作会社に入ったのは十数年前。
その頃はまだ古い体質が思いっきり残っていた時代なので、ADの仕事はスーパーブラックでした。
「寝れない、風呂入れない、帰れない」は当たり前。
いわゆる「奴隷」と言われるようなひどい働き方を強いられていました。
逆に、ディレクターは「王様」でした。
面倒な雑務はADに全て丸投げ。ADを駒のように動かして自分は早く帰ったり、楽しくて面白いVTRを作るためならばADを好きなように働かせることが許されていた時代。
これは悪いことのように見えますが、
言い方を変えると「ディレクターを番組作りに専念させる」ということであり、良いコンテンツ作りをするためには「ディレクターに余計なことをやらせない」という環境作りは、ある意味必要なことでもあるのです。
ADは奴隷。だけど、ディレクターは王様。
だから、僕らADたちは必死でディレクターになろうと働いたのです。
王様になれば、一発逆転できるわけですからね。
いきなり奴隷から王様へとランクアップできるのです。
もちろん、途中でほとんどのADが辞めていきますが、
ディレクターになれば王様になれる!
早くディレクターになって
地獄の奴隷生活から抜け出そう!
ということだけを夢見て、必死で激務に耐えてきたのです。
バラエティ番組の場合、
ディレクターになるのに5年くらいはかかります。
5年間、家にも帰らず、休まず、寝ないで必死に耐え忍びました…
僕の場合は6年半も耐え忍びました…
そして、ついに奴隷から解放される時がきたのです!
「働き方改革」により王政が廃止される
僕は、やっと王様(ディレクター)になれました。
あの時の喜びは忘れられません…。
やっと王様になれた。
さあ好きなことだけに集中しよう!
そう、思った瞬間!!
「働き方改革」なるものが出現!!
急に奴隷たちが仕事をしなくて良い世の中になりました。
すみませーん!
帰る決まりなんで帰りまーす!
必要なことは自分でやってねー。
ADは使っちゃダメよー。お疲れー。
と言われるようになりました…。
えぇっ?どういうこと!!
働き方改革の前後で仕事量が変わるわけではありません。
ADが働かない分は、ディレクター自身でカバーしなければなりません。
10年目くらいのディレクターは、
AD時代は奴隷だったにも関わらず王様というディレクターのおいしいポジションを全く味わうことができなかった、
テレビ業界のロストジェネレーション世代なのです!
これって、かなり損してません???
だって将来「余計な雑務」をしないために死ぬほど雑務してきたのに、ディレクターになっても同じようなことやってるんですよ?
「女々しい」とか「情けない」とか「時代錯誤」とか言う奴は、僕たち世代の悔しさを全く分かってない!
ディレクターのうま味を味わいたかったんですよ!僕たちは!!
「王様」に即位した瞬間に王政が廃止され、いつのまにか平等な世界になっていたんですよ!
僕たちにも王様の特権をください!!!
損をしたのは限られた世代
15年目以上のディレクターは
しっかり「王様」状態を味わえた期間があるので僕たちとは違います。
9年目以下の若手ディレクターは
「AD時代、すでに民主化されており奴隷ではなかった」ので僕たちとは違います。
10年目くらいの世代だけが特権を全く味わえていないのです!!
僕たちだけが、損をしているのです!!!!
マジでムカつくけど、
このブログでネタにできたからよかったー。
コメント
自分も同じような年代に入りました。
この内容めちゃめちゃ共感できますww
立場逆転してますよねww
同世代の方ですか!分かってくれる人がいてよかったw
わざわざ返信ありがとうございます!
10年後どうなっても知らんぞって感じですよねw
偉くなるメリットが減ってますよねw