深夜とゴールデンでは視聴者層が違う
巷では、
深夜番組がゴールデンに昇格するとつまらなくなる
なんてことが言われますが、実際、深夜番組がゴールデンに昇格して失敗することはよくあります。
その理由はいくつかあるのですが、
「深夜とゴールデンでは視聴者層が変わってしまう」
というのが、一番大きな理由です。
ざっくり言うと、
ゴールデンを見ているのは年配たち。 深夜番組を見ているのは若者たちです。(年配は深夜に寝てる)
深夜帯に人気の番組は若者たちに支持されてる番組。ゴールデンで人気の番組は年配層に支持されてる番組です。
当然、世代によって好みは変わりますので、深夜で人気の番組がゴールデンで人気になるとは限りません。
むしろ、ゴールデンに昇格しても人気を維持している番組は若者にも年配層にも人気がある!という、オールマイティなすごい番組ということなのです。
全世代に人気がある番組作りは難しい
「全世代にウケる番組」というのは今の時代、かなり難しい。
昔に比べると人の好みや生活が多様化しまくっているので全世代にターゲットを広げてみんなに刺さるような番組を作るのは本当に難しいのです。
さらに、ゴールデンに昇格すると、
「尖った企画やシュールな企画はやりづらくなる」
というリスクもあります。
あと、下ネタとかもやりづらい。
(テレビマンの中には「主婦は下ネタを嫌う」という共通認識があります。)
深夜時代、奇抜な企画で人気を得たような番組でもゴールデンに昇格したらゴールデン用の企画に変更せざるを得ないのです。
ピカソの絵みたいなもので、
奇抜なものを楽しんでくれるのは一部のコアなファンだけで、ほとんどの視聴者は落ち着いて安定感のある番組を見たいのです。
ゴールデンは攻めづらい
また、深夜以上にゴールデンでは結果を求められるので、思い切った勝負に出づらいという制作者側の心理的なハードルもあります。
なので、たとえ深夜に新進気鋭なコンセプトで人気になったとしても、ゴールデンではそのままの企画で攻めるのは難しいのです。
例えば、アメトーークの場合でも、
昨日深夜オンエアの「イマイチ印象に残らない芸人」という企画は見ていて普通に面白いのですが、シュールで狭い企画なのでゴールデンでは勝負しづらいです。
一方、今日オンエアされたゴールデン3時間SPでは「キャンプ芸人、チョコ芸人、踊りたくない芸人」を持ってきましたが、
・キャンプは今、年配にもブーム
・チョコは誰でも知ってる(ターゲットが広い)
・ダンスは若者に人気
という、ネタを持って来ています。
実は、ネタの順番にもちゃんと意味があって
(19時)キャンプ芸人
(20時)チョコ芸人
(21時)踊りたくない芸人
19時代には中高年にも人気があって、おいしそうな料理の画がでてくるキャンプ芸人を。
後半の年配がいなくなる時間帯には若者が好みそうな「踊り」を持って来ています。
深夜時代に強いネタを出し切っちゃう
さらに制作の裏事情としては、深夜時代にネタを出し切ってしまい、ゴールデン昇格時にはネタが無い!というパターンもあります。
当然、番組が扱うネタは強いものから順に消費されていくので、深夜時代に強いネタをバンバン使って人気を得たはいいものの、ゴールデン昇格時にはすでに強いネタが無くなっている場合もあるのです。
(悲しいかな)
ずっと生き残る番組はすごい番組
深夜からゴールデンに昇格して長く生き残ってる番組は、
幅広い年代に人気があるということ。
テレビマンからすると尊敬に値するすごい番組なのです。
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