宮迫×中田のYouTube番組【Win Win Wiiin】とは?
雨上がり決死隊の宮迫博之とオリラジ中田敦彦によるYouTubeのトーク番組。初回ゲストは手越祐也さんでした。前編・後編に分かれており、前編は【中田敦彦のYouTube大学】にて、後編は【宮迫ですッ!】にて配信されており、尺は両方合わせて90分超え!
ゲスト1人だけで90分ってすげぇな!
見た方は分かると思うのですが編集はテレビ並み。てか、完全にテレビ!
通常のYouTubeではPCだけの編集で配信に至るのですが、【Win Win Wiiin】は編集所に入ってガッツリ編集してるしMAもしてる。普通のYouTubeチャンネルには無いほどの手間とお金をかけています。
これ、完全にテレビじゃん!
と巷で話題になっていますが、実は外見はテレビでも、中身(構成)はYouTubeです!しかし、ただテレビ番組のように作ったものをYouTubeにアップしたわけではなく、明らかにYouTubeの新たな可能性を視野に入れて戦略的に作られたチャレンジ番組です。
今回は僕が【Win Win Wiiin】を見て感じた『テレビと同じ所』『テレビと違う所』『テレビではできないこと』『Win Win Wiiinが見出したYouTubeの可能性』について解説したいと思います。
テレビと同じ所
【Win Win Wiiin】があまりにもテレビと同じような規模で作っているのにビックリしましたが、それは単純に編集がテレビっぽい、とかいう単純なことではなく、その裏側のマネタイズ構造までテレビと一緒だったというです。
スポンサーがついているじゃん!
今回は「ロコンド」と「のむシリカ」がスポンサーについていたようです(番組の概要欄に書いてあった)。後編の最後にはロコンドの紹介が入っているし、のむシリカは収録中、ずっと机の上に置いてありました。出演者が飲むための水として自然と置かれているように見えますが、実はあれ、ロゴが映るようにラベルの向きなどもしっかり計算されていて、カメリハで細かい位置決めまでしてます。これはテレビと同じ手法です 笑
YouTubeでは「企業案件」という形でスポンサーがつくことはあります。テレビのように「CMを流す」のではなく、チャンネルの動画内で直接商品が紹介されるのが企業案件。【Win Win Wiiin】でのスポンサーは、この企業案件の延長線上にあるものでした。
のむシリカはさりげなく映り込ませることで紹介していましたが、ロコンドのスーツは番組の最後に堂々と紹介していましたね。笑
たぶん「スタジオトーク番組」という番組の性質上、動画内で自然と商品をアピールするのが難しかったため、わざわざロコンドコーナーを最後に設けたんだと思います。テレビではCMとして流れる映像を番組内でやっちゃえ、的な。
スポンサーをいれることでテレビ並みにかかる莫大な制作費用を補い、企画がコケた場合でも少しは収益が入ってくるような保険をかけています。思いきってショーアップできたのは、スポンサーの資金援助よる所が大きい。一体、予算いくらだったんだろう…?
セットを作り込んでスタジオ収録
お金をかけてセットを作ってる部分もテレビと同じ。オープニングで紹介されてましたが何百万(もしくはうん千万円?)のお金をかけて、スタジオ美術を作り込んだようです。技術さんもおそらくテレビの技術。メイクやスタイリストもいるはず。テレビと比べても全く遜色ない。
てか、テレビより金かけてるんじゃないか?
宮迫さんが「このセットは朽ち果てるまで使わないと!」と言っていましたが、1回で終わらすのは勿体なすぎるほど豪華なセットw お客さんもスタジオに入れてますし、完全なテレビフォーマットでした。
テレビと違う所
一見、テレビと全く同じように見えるのですが、実は中身はちょっと違います。ざっくり言うと「構成」と「編集の尺感」がぜんぜん違うというのが僕の感想です。
構成が違う
まず、番組の作りがテレビではありえない構成になっていました。テレビでは手越さん1人ゲストで90分もの長尺番組を作る、ということは、まずありえません。
これは、テレビ番組はマス(大勢)に向けて作られているため。
この番組、悪い言い方をすると、手越さんに興味の無い人は見ることがありません。
なので…実は僕も全部をちゃんとは見てません!笑(早送り)
ホスト役の宮迫さん、中田さんもいますが、合わせても出演者は3人のみ。
30分番組なら全然有りだと思いますが、90分はさすがに長い。
これは手越さんをディスってるのではなく、誰がゲストでも無理なんです!
アナザースカイも30分。しゃべくり007も1時間番組ですがゲストが2組出てきます。さんま御殿も1時間の中に多くのゲストを迎えてトークするわけです。
いくら売れっ子のテレビスターでも、1人ゲストにかけられる時間は30分が限界です。
例外として、志村けんさんの追悼番組や、イチロー選手が引退した時など、国民的大スターや偉人たちの大ニュース特番などは90分以上になる時がありますが、かなりのレアケース。
「手越さんに興味のある人は見ない」ことを考えると、テレビでは手越さんだけに90分もの長い尺を背負わせるわけにはいかないのです。
しかし、YouTubeは違います。
YouTubeは自分のチャンネルのファン層に向けて作られています。TVよりも視聴者のターゲットを細かく絞っています。
YouTube=ファンを楽しませる
スイッチを入れれば勝手に流れてくるテレビとは違い、YouTubeは視聴者が検索してクリックするなど「積極的に」見に行くシステムになっているため、動画を見ている時点で「見る心構え」が出来ています。なので、多少動画が長くても最後まで見てもらえるわけです。
手越さん1人ゲストで90分作っちゃおう!という思い切った構成にできたのは、YouTubeだからこそなわけです。
編集の尺感が違う
編集の尺感とは、言いかえると「番組が進んでいくテンポ感」です。
Win Win Wiiin の尺感は、ちょっと長かった。テレビに比べると「少しテンポが遅い」といった感じです。
例えばオープニング。第1回放送ということもあり、宮迫&中田さんのオープニングトークにたっぷりと時間をかけていたのですが、ゲストの手越さんが出てくるまでに約8分もかかっていました。
これは長い!
テレビならオープニングトークは極力短めに編集し、すぐにゲストを呼び込んで本題に入りたい所ですが、(あえて?)長めにつないでいた印象です。
手越くん、はやく出てこないかなぁ…
と感じた人もいるはず。テレビでは8分もあったら、下手すりゃCMが挟まっちゃう。
他にも各テーマで「5CHECK POINT!」を3人のトークだけでガッツリつないでいましたが、テレビならどこかしらナレーションで処理したりカットしたりして、編集にテンポ感を出してると思います。
そこらへんはテレビとは違うな、と思いました。
【Win Win Wiiin】が示したYouTubeの可能性
当然、作っているスタッフもまだ手探り状態で実験的に色々試している段階だと思いますが、今回の第1回だけでも2つの可能性を見出したと思います。
可能性① YouTubeでもテレビ並の大規模番組ができる
めちゃくちゃ予算をかけてハイクオリティな番組を作る、というのはテレビだけの専売特許だと思っていたのですが、テレビ番組並みの大規模番組がYouTubeでも成立することを証明しました。
もしかしたら大赤字なのかも??しれないですが、潤沢な資金を持つスポンサーさんとプロの制作集団が集まれば、YouTubeでもテレビ番組が作れるということですね。
アマゾンプライム、Netflixの時も思いましたが、YouTubeにまでこれをやられたらテレビの意味がいよいよ無くなってくるかもしれません。YouTubeはもはや「素人だらけの動画チャンネル」ではなく「プロが本気で作る動画プラットフォーム」に変わってきています。というか、その両方が共存している感じ。最強やん。
可能性② テレビでは流せない内容も放送できる
例えば、手越さんの山Pジャニーズ退所についてのコメント。
「あの事件レベルのことで、あそこまで実力があってスーパースターの人(山P)を、謹慎にしちゃうとか、潰しちゃうっていう日本の芸能界をやっている以上、海外には絶対勝てない」
これはジャニーズや世間に忖度しまくりのテレビでは絶対に使えないでしょうw
でも、忖度なしに自由に放送できる方が健全であり、エンタメのあるべき姿。
(本人たちも気を遣いながらしゃべっていたと思いますが…)
テレビのしがらみから離れたタレントさんたちが、YouTubeに出演し自由にトークをし始めたら、テレビよりも面白いトーク番組ができるかもしれません。
Googleのルールは守らないといけないけどね。
まとめ「YouTubeでテレビ並みの番組が増えていく」
ひとつの番組が成功すると、当然、他の人達も真似しますw
宮迫さん、あっちゃん以外のタレントさんやテレビマンたちも、YouTube上で大規模番組を作るようになると思います。とにかくスポンサーさえ見つけられれば可能性はありますね。
面白い番組、もっと増えて欲しいなぁ。
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