今回は、オワコンと言われるテレビ業界に今年入社してくれた新人ADさんや、就活生のみなさんに向けての記事です。
先日の記事でも書きましたが、2019年についにテレビの広告費はネットに抜かれてしまいました。テレビが王様だったのは昔の話。若い子ほどテレビを見なくなっているので、残念ながらこの先もどんどん衰退していくと思われます。(詳しくはこちらの記事を↓)
制作費もどんどんカットされており、今月からまた削減されます。僕のギャラも削減されます…。これからテレビマンの給料はどんどん下り続け、上がることはありません。局員もどんどん給料が下がっています。
「テレビがオワコン」というのは、否定できない事実なのです。
新人ADたちがテレビ業界に就職した理由って、おそらく
・楽しそうだから ・芸能人と会えるから ・給料が高そうだから(局員のみ) ・情報を発信したいから
とかだと思うのですが、実はこれらは全てネット動画でも実現できること。あえてテレビ業界で働く必要はありません。てか、ネットの方が若手のうちから活躍できるのでお得です。
えっ?入社したばかりなのに
夢も希望も無いじゃないか…。
と思われるかもしれませんが、実は希望もあります。これから衰退していくテレビ業界の中で今働く意味があるとするならば、その理由は2つだけ。これは僕が未だにテレビ業界で働いている理由でもあります。
①動画コンテンツ作りはテレビが最強
ひとつめの理由は「テレビが動画コンテンツ作りにおいて最高峰のノウハウを持っている」ということです。
動画制作においてテレビは最強です。(断言)
というのも、僕はテレビだけでなくネット動画の依頼を受ける時もあるのですが、その時はテレビ以外の映像制作会社の人たちと一緒にチームを組むことがあります。テレビ以外の映像制作会社の人たちは、驚くほどノウハウがありません。企画力、構成力、編集力、現場の回し方、全てにおいてテレビとは雲泥の差があります。(一般の映像制作会社の方、すみません…)
なので、
動画制作を学びたい!
最高に面白いコンテンツを作りたい!
という人は、テレビ業界で働く意味があると思います。
実際、僕の番組の5年目ADが一昨年テレビを辞めて、大手ネット企業の動画コンテンツ部門に転職したのですが、すでにトップクリエイターとして活躍しています。(給料はAD時代の1.5倍くらい。)
もう一人のAD(6年目)は1年前にテレビを辞め、YouTubeの制作会社に転職しましたが、その会社に所属するYouTuberの8つのチャンネルを掛け持ちして任されるほどのエースになっています。
彼らは決して「優秀」だったわけではありません。普通のADだったのですが、ネット動画の世界では貴重な人材として重宝されています。一定のレベルに達しているADであれば、外の動画世界でも普通に戦っていけるのです。たぶん3年くらい真面目に働けば、テレビを辞めたとしても動画制作者として世間的には優位に立てると思います。(ポンコツは除く)
しかし、テレビの衰退とともにネットへの人材流出が進んでおり、これからはディレクター陣もネットの世界へとどんどん流れていくと思われます。なので、「テレビが最高」という今の状況がいつまで続くかは分かりません。今のところはテレビが最高峰のノウハウを持っています。なので、今のうちにテレビの世界で最高のスキルを身につけておいて、いざとなったら転職できるようにしておきましょう。
②テレビが好きだから
テレビが大好きで
作ってて本当に楽しいんです!
と言う人は文句なくテレビ業界で働きましょう。
まあ……これが全てなのかもしれない。
これからテレビがどうなっていくのかは、よく分かりません。
それでもテレビが好きで、作ってて楽しい!という人は、ぜひテレビの未来を良い方向に変えていってもらいたい。そしてあわよくば、また黄金時代を復活させてもらいたい…。
「ネットに勝つ!」という精神じゃなくて「ネットとうまく融合する」という方向性が正しいと思うのですが、それを共に実行していく若い力が必要です。
新入社員ADのみなさん。
コロナのせいで「いきなり暇、ほとんど仕事無し。」というトリッキーな社会人生活のスタートになったと思われますが、コロナに負けずに頑張りましょう!
(関連記事:新人ADさんが必ず直面する悩み↓)
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