ワクワクさんとは?
名前は久保田雅人。年齢58歳。
1990年から2013年まで、実に23年もの間Eテレ『つくってあそぼ』でワクワクさんとして活躍していました。今はYouTubeチャンネルで工作をやっていて、登録者数は約28万人。かなり人気があるようです。
しかし、ワクワクさん、
実はバラエティの出演NGなんだそうです!
(今回の出演は特別なのか!?)
その理由はEテレと民放の制作の違いについていけず、バラエティが怖くなっちゃったから。
確かにNHKと民放バラエティでは、作り方が全然違います。
一体何が違うのか?バラエティの内情を踏まえつつ解説していきます。
ワクワクさんが恐れたNHKと民放の違い
ワクワクさんが恐れた民放バラエティの特徴がこちら。
①民放は10分前に打ち合わせして即本番
これは民放のバラエティでは普通のことです。
でも、ワクワクさんがやっていたEテレは違ったようです。
ワクワクさん曰く、Eテレでは15分の放送を1本撮るのに3日間かけて打合せ・リハーサル・本番を撮っていたそうです。
【2日前】工作の打合せ・リハーサル・練習 【1日前】全体の本読み・立ち稽古 (時間内に収まるかをキチッと測る) 【本番】 打合せも含め7時間かけて1本収録
すごいスケジュール…。
普段、民放をやっている僕からすると【2日前】と【1日前】の違いがよく分かりません…。そして本番前に2日間も打合せ&リハをしておきながら、本番当日に何を打合せしているのかも意味不明…。
Eテレ(NHK)には余裕がある!
なぜ、Eテレ(NHK)は15分のコーナーにこれだけ余裕を持って制作できるかというと、お金があるからです。
日本国民から問答無用で徴収した7000億円という莫大な予算があるので、制作に時間と人件費をたっぷりかけられるのです。
しかし、民放ではそうはいきません。
ワクワクさんのコーナーを民放で作るとしたら、
「どんな工作をするか?」という事前打ち合わせは1〜2時間かけてみっちりやっておいて、本番前に何回かリハーサル。そして本番は「1日で10本撮り(2週間分)」とかになると思われます。
それでも、Eテレと同じようなクオリティで作れると思います。
そんなにリハをみっちりやらなくても、ぶっちゃけ失敗したら撮り直しすれば良いですし、ハプニングが起きたらそれはそれで面白い。
しかし、EテレやNHKはあくまでも「公共放送」なので、予想外のハプニングよりも「しっかり工作を完成させること」に忠実な番組作りを心がけていたんだと思います。
僕も以前、一度だけNHKの情報番組をやったことがあるのですが、とにかく台本に忠実で、粛々とお役所のように制作していました。
面白さよりも「しっかり真面目に作る」ことがNHKでは大事なのです。
10分の打ち合わせでも大丈夫
吉村さんが「しくじり先生の打ち合わせは10分もない」と言っていましたが、バラエティの打ち合わせでは珍しいことではありません。
特に、しくじり先生の吉村さんの場合は「先生の話を聞いて盛り上げる!」というガヤの役割であり、気にするべき段取りなどはありません。なので、
今日も元気?
じゃあ、いつも通りでお願いします!
で、十分なのです。
これは他の番組でも同じで、新番組や特別な段取りがあるような場合でない限り、打ち合わせはほとんどありません。何回も出演してもらっている人たちとは、打ち合わせをしない時も多いです。MCだと段取りがあったりするので事情が違うのですが、吉村さんのようなゲストのレギュラー陣には打ち合わせは必要ないのです。
しっかり打ち合わせが必要な人は
・初登場の人 ・バラエティに不慣れな新人タレント ・番宣で来た俳優さん
などですかね。
それでも「ここだけは押さえといて下さいね」という重要なポイントだけを話して打ち合わせは終わりです。
②台本の言葉の意味すらわからない…
民放バラエティの台本に書いてある言葉の意味が分からない!とのことでしたが…、そんな意味不明な台本がこちら↓
民放バラエティの台本ってこんな感じです!笑
(ひと盛り上がりあって) (〜よきところで) (〜などありまして) (VTR受けてワクワクさん一言) (※同様に3回繰り返して)
などなど、ワクワクさんは驚いたようですが、バラエティの台本は「ざっくりの流れ」が書いてあるだけで、ゲストそれぞれの「セリフ」までは書いてありません。
「10分前に台本渡されても意味がわからない!」と言っていたワクワクさんですが、確かに慣れてない人はビックリするかもしれない!笑
「続いてのVTRはこちら!」とか
「●●さん、どう思う?」とか、
要所要所、MCが番組を進行するために必要な文言は書いてありますが、それ以外は台本にありません。
でも、バラエティの台本はこれで良いのです。
なぜなら、どうせ細かく書いてもいちいち覚えていられないし、現場ではその通りに行かないし、重要なところは我々がカンペを出しますし、自分が喋る番になったらMCがしっかり振ってくれます。
ゲストは、その場の流れに合わせて発言してくれれば良い。
なので、ぶっちゃけ『バラエティの台本は見なくても大丈夫』なのです。
それでも毎回台本を作るのは
想定ではこんな趣旨の番組にしたいと思っています。
みなさん、よろしくお願いしますね!
という我々の意思を込めているからです。
それを読んで趣旨さえ理解してくれればOK。
台本は作っても、本番が始まってしまえば「その場の流れ」で流動的に変わっていくのが民放バラエティなのです。
③ディレクターのクセがすごい
ワクワクさんはディレクターの違いにも驚いたようです。
『異様にノリがラフな蛍光色ファッションの色黒ディレクター』は、たまにいます。こういうディレクターは「本番はいい感じで!」とお願いしてくるそうです。僕はこのタイプのディレクターとは友達になれない。笑
『意識高い系ディレクター』もいますね。
個性的なメガネをしていて、打ち合わせで自分の仕事の流儀・自慢話を語り、SNSでタレントに積極的にカラむらしい!笑
これで仕事ができなかったら最悪だ!笑
『小太り武闘派ディレクター』一番いるのがコレな気がする!笑
もう一つ『人見知りで猫背の大人しいディレクター』という種類もあります(僕はこのタイプ)。
そんな民放のディレクターに対して、Eテレのディレクターは『淡い優しい色の服を着た生真面目で丁寧』な人だったそうです。
吉村さんの「民放だったら編成の人ですよ」というのは言い得て妙です。まあ、NHKはお役所ですからね。
④共演者が華やか過ぎて「芸能人酔い」する
テレビで見たことある人ばっかりで、本番舞い上がってしまったらしいです。
というのも、23年間、Eテレでのワクワクさんの話し相手はゴロリくんだけ。スタジオの中で人間と話をしたことがなかったため、しんどかったみたいです。
これらが、ワクワクさんがバラエティ出演NGにしてしまった理由です。
でも、ワクワクさん、バラエティは「慣れ」です!
そのうち免疫ができるので大丈夫。
ワクワクさん。しくじり先生はやりやすかった?
おそらく今回「しくじり先生」にワクワクさんが出演したのは、番組の特性上「打ち合わせをしっかりしてる」のと「台本がキッチリしてる」からだと思います。
しくじり先生は台本(教科書)に沿ってしっかり進んでいくし、話す内容も教科書にちゃんと書いてあるので、ワクワクさんもやりやすかったんじゃないか??と思われます。
ワクワクさんが民放バラエティで学んだこと
23年間のキャリアがあったため「なんとか民放でもできる」と思っていたワクワクさん。しかし、下調べもせずに飛び込んだことで苦労や失敗が多かったそう。
今までの自分のキャリアを忘れてしっかり下調べをしなさい!
自分がど新人だと思って勉強してから行く事が大切なようです。
すごい説得力がある回でした。
(関連記事:YouTuberラファエル先生のしくじり↓)
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