フリーがピンハネされない方法とは?
フリーのテレビディレクターは通常、制作会社のプロデューサーやディレクターから仕事の依頼が来ます。
ギャラについてはどうしてもその制作会社にピンハネされてしまいます。
最近では、フリーのディレクターの「派遣会社」まであるようですが、制作会社でも派遣会社でも仕事を紹介してもらう以上は「ピンハネ」システムからは逃れられません。
その代わり安定的に仕事がもらえると思えばまあ、仕方のないシステムなんですが…。そんなフリーの悩みのタネであるギャラの「ピンハネ」、
実は!!
ピンハネされずに仕事ができる、おいしい状態が一つだけあるんです。
それは「局員から直接仕事をもらうこと」
制作会社や派遣会社を通さずに直接、局からギャラをもらえれば余計なピンハネをされずに済むのです。
ただし、これをやるには2つの条件があります。
①局員の知り合いを作ること ②その局員から圧倒的な信頼を得ること
この2つです。それぞれ解説します。
①局員の知り合いを作ること
フリーで仕事をしているうちに自然と局員の知り合いができる場合もありますが、一番いいのはフリーになる前(制作会社の社員時代)から局員との関係性を築いておくことです。
今、自分がやっている番組に局員の人って1人くらいいませんか?
ADでもディレクターでも先輩でも後輩でも、
もし局員がいたら、
自分と馬の合う人を探して仲良くしておきましょう。
ただし、それは決して「こびを売る」という意味ではありません。
「将来、違う番組になってもその人と一緒に仕事をしたいのか?」
というのを見極めながら仲良くしないと意味がありません。
なぜなら、こびを売るような関係性では
条件②を満たせないからです。
②圧倒的な信頼を得る
局員に知り合いができたら、圧倒的な信頼を得る必要があります。
なぜなら、
テレビ局は普通個人との契約は交わさないからです。
個人と契約することはテレビ局にとって大きなリスクでしかありません。
そいつが実力不足だったら困るし、ある日急に来なくなったら困るし、何か事件を起こした時に責任をとってくれる人がいません。
なので、
テレビ局は知り合いのフリーのディレクターを呼ぶ場合でも
必ず「制作会社を通して」仕事を依頼します。
制作会社を通していれば、そのディレクターに問題が起こっても「別のディレクターを立てる」ことで対応できるし、事件が起こっても「その制作会社の責任」にできるからです。
個人と契約すると、何か問題が起こった場合、その責任は100%「テレビ局」に降りかかります。
なので、テレビ局は個人と契約をしないのです。
しかし、
局員から圧倒的に信頼されているディレクターの場合、
個人で契約できる場合があります。
ただの「知り合い」ではダメです。圧倒的でないと。
ただの知り合いレベルでは直接ご指名で仕事に呼んでもらえたとしても結局は「制作会社を通して契約されてしまう」のです。
ぜひうちの番組に来て欲しいけど、ギャラの支払いは制作会社を通してもらって下さいね〜。
となってしまうのです。
これでは、結局その制作会社にピンハネされてしまいます。
せっかくご指名で呼んでもらえたのに自分と関係ない制作会社にピンハネされたら、なんか悔しいですよね?
なので、
「こいつなら絶対大丈夫」
「最悪、問題が起こっても俺がなんとかする」
と、局員に思ってもらえるくらいの圧倒的な信頼が必要なのです。
そうなれば、ギャラは全て自分のもの。
正直レアケースなんですが、もし実現できたらフリーにとってはかなり「おいしい仕事」になります。
圧倒的な信頼を得るためには?
実は僕も直接仕事をもらえる局員がいるのですが、どうやって関係性を築いたのかをお話しします。
その局員とは僕がADだった時に上についていたディレクターです。
僕はその人のことを尊敬していたのでAD時代から色々と面倒を見てもらっていました。僕が今何とかフリーでやっていく実力がついたのも、その人のおかげです。
今でも昔一緒にやっていた番組のことが話題になるのですが、
昔一緒にやってたあの番組地獄だったな!
あの時は苦しかったっすね〜!
というように、
「苦しい時を一緒になって乗り越えた」という体験はこれ以上ないくらいの厚い信頼につながります。
局員が、自分の番組を持っていざディレクターを探そうと思った時、「知らないディレクター」よりは「知り合いのディレクター」に頼みたいと思うもの。(実際、知り合いから探すことがほとんどです。)
その時に、
あいつ、すごく頼りになったよな。
と思ってもらうためには
「若い時からしっかりと信頼を築いておく」というのがものすごく重要なのです。
僕が今、直接仕事をもらえている局員さんはもれなく制作会社のAD時代に一緒に番組を作っていた人たちです。
昔から付き合いのある局員なんていねーよ!
という方の場合は、今から信頼を築いていきましょう!
ぜひぜひ参考にしてみてください。
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