テレビADは大きく分けて4種類に分けられます。
・テレビ局員(レア)
・制作会社の正社員(大多数)
・派遣社員(大多数)
・フリーランス(超レア)
テレビ局員のADは人数が少なく、東京キー局でも新入社員のうちの数人程度しか配属されません。結構レアキャラです。さらにレアなのがフリーランスのAD。数年間どこかの制作会社で経験を積んだあと独立した人たちですが、この世にほとんど存在しません。
ちなみに、仕事内容はどのADも一緒です。
今回は、ADのほとんどを占める制作会社の正社員ADと派遣ADを比べて
について解説します。
正社員ADのメリット(派遣のデメリット)
正社員ADは派遣ADに比べると
・出世しやすい
というのがメリットです。
給料が高い
給料に関しては、正社員ADの方が派遣ADよりも月数万円ほど高いです。
まあ、誤差ですかね。
働き方改革でその部分が是正されると思われますが、派遣ADは派遣元に中抜きされるという弱点があるので、働き方改革後も薄給であることに変わりはありません。1年目だと15万〜18万円くらいだと思われます。
私、手取り12万円しか貰ってません…
という派遣ADを見かけたことがありますが、それは「派遣会社がヤバい可能性が高い」ので、今すぐ別の会社に転職しましょう。
出世しやすい
正社員ADは3年目くらいになるとディレクターに昇格させるために社内で手厚いサポートを受けられるので、出世もしやすいです。
一方、派遣のADは、制作会社からすると「他社の人間」なので、派遣元に許可もなく勝手に出世させられないという理由で出世が遅れる可能性があります。
もし、全く同じ能力の正社員ADと派遣ADがいた場合は、正社員ADの方が優先されてしまうでしょう。
会社の利益を考えると「派遣ADよりも我が社のADを育てたい」と思うのは当然のことなので、仕方ありません。
ただし、僕は正社員ADでしたが、後輩の派遣ADに追い抜かされたことがあるので、結局は本人の能力と環境次第。
正社員・派遣と差別することなく能力で昇格させる制作会社であり、なおかつ本人に能力がある場合は、派遣ADでも出世できます。
十分チャンスはあるので、頑張りましょう。
派遣ADのメリット(正社員のデメリット)
派遣ADは正社員ADに比べて
というメリットがあります。
派遣のメリットはこれくらいだと思うのですが、この問題が結構大きいです。
番組を異動しやすい
正社員の場合は職場(番組)が自分に合っていなかったら終わりです。
通常、配属された番組をすぐに異動することはできません。もし会社の上司(DやP)に嫌われたり先輩ADと気が合わなかったら逃げる場所がありません。
番組異動の希望を出せば会社は相談に乗ってくれると思いますが、制作会社は人手が足りていないので、ほとんどが相談に乗ったフリをするだけで異動が実現することはありません。というか、相談する相手が嫌いなプロデューサーだったりすると元も子もありません。
僕の番組の正社員ADは1年前から「異動したい!」とプロデューサーにお願いしていますが、いまだに実現していません。正社員ADは会社の都合で配置が決まってしまいます。これはサラリーマンである限り仕方ないことなのです。
さらに、もし異動できたとしても、正社員の場合は「自社の制作番組の中から選ばなければならない」ので、選択肢が狭いです。派遣ADは派遣元が握っているたくさんの番組の中から異動先を選ぶことができるので、選択肢が広いです。
この番組はきつい!
この番組は合わない!
この番組は飽きた!
という時に、比較的動きやすいのです。
(もちろん、すぐに異動は無理ですよ。)
さらに、番組を異動しやすい分、いろんな番組の演出を学べるので『成長できる』という意味では派遣ADがオススメです。
また、能力の高い派遣ADには『正社員にならないか?』というお誘いが来たりするので、派遣が嫌になったら途中で正社員になることもできます。(意外とこのパターンは多いです)
つまり、いろんな状況にフレッキシブルに対応できるのは派遣ADの方なのです。
【結論】
正社員ADか?派遣ADか?
選ぶポイントはこちら↓
【正社員ADがオススメ】 ・給料が高い方が良い人 ・出世する際に会社から手厚いサポートが欲しい人 ・人間関係が悪くても一定期間耐えられる人 【派遣ADがオススメ】 ・給料よりも番組内容を重視する人 ・出世するために主体的に腕を磨ける人 ・人間関係が悪かったら異動したい人
自分がどっちのタイプなのか、考える際の参考にしてください。
正社員でも派遣でも仕事内容は全く同じなので、そこは心配しなくてOKです。
コメント
ひらたく言うと、
「性格が受け身な人」→正社員AD。
「ある程度主体的に動ける人」→派遣AD。
ってことだと思います。