テレビの注釈テロップはクレーム対策です
※CM上の演出です
※用法・用量を守って正しくお使いください
など、テレビを見ているとよく見かける「注釈テロップ」
注釈テロップのほとんどは「クレーム対策」として画面上に入れられています。
今回はテレビでよく見かける注釈テロップの定番フレーズと、なぜそのテロップを入れなければならないのか?について解説します。
※効果には個人差があります。
通販番組やダイエット・健康・病気などを扱う時の定番フレーズ。
「※全ての人に効果があるわけではありません」など、少し表現を変えた言い回しもありますが、同じ意味です。
実は、薬事法では「医薬品と誤認されるような表現は避けなければならない」という決まりがあります。
・このサプリを飲めば痩せる!
・このストレッチでガン予防できる!
といった表現は「100%その効果が証明されている医薬品」以外には、テレビで使用してはいかないのです。
通販番組や健康を謳う番組のナレーションをよーく聞いてみて下さい。「痩せる!」とか「ガンに効く!」というような、効果を断定するような言い切りの表現は使っていないはずです。
例えば「ダイエットができるストレッチ体操」を紹介する番組があったとしても、
ダイエットに効果があります!
という「言い切り」の表現を使うことはできません。
ガン予防に効果があると言われています!
という「濁した」表現を使う必要があるのです。
さらに、クレームに対して慎重になる番組の場合は
ガン予防に効果があると言われています!
(※効果には個人差があります)
というように注釈テロップを入れるのです。
※諸説あります
歴史や発祥を紹介するときに使う注釈テロップです。
テレビ番組では「日本初!」とか「日本で唯一」という紹介の仕方は、基本しません。なぜなら物事の発祥に関しては諸説ある場合が多く、下手に「このお店が発祥です!」と断言してしまうと、
ふざけるな!発祥はウチの店だ!
訂正して謝罪しろ!
みたいな問題になりかねないのです。
歴史に関しては、それこそ研究者によって色々な説があるし、誰も本当のことは分からない。
面倒な場合が多いので「※諸説あります。」というテロップを入れることで、
断言してませんよ。
ちゃんと調べてますよ。
他のお店にも配慮していますよ。
というアピールをしているのです。
※激しいフラッシュにご注意下さい
記者会見など、カメラの激しいフラッシュがたかれるシーンの時に入る定番フレーズです。「※部屋を明るくして離れて見てください」という表現も同じです。
この注釈テロップを入れるきっかけとなったのは、俗に「ポケモンショック」と言われる事件がきっかけです。
1997年12月16日に放送されたアニメ『ポケットモンスター』で、ピカチュウの10万ボルトなどの技の演出で激しい点滅が使われました。その点滅を見た一部の視聴者が、頭痛や吐き気を訴え、病院に運ばれることになったのです。
僕もリアルタイムでその放送を見ていましたが、僕は大丈夫でした。
原因は「激しい点滅を長時間見続けたこと」と「部屋が暗かった」こと。
それ以来、テレビ番組で「激しい光の点滅」の演出は禁止されることになったのです。
しかし、記者会見の映像では記者たちが激しいフラッシュをたいて写真を撮りまくります。そこで視聴者に注意を促す文言として「※激しいフラッシュにご注意ください」という注釈テロップが使われているのです。
※撮影のため特別にタオルを着用しております
温泉ってタオル着用OKなんだ
という誤解を避けるための注釈テロップです。
昔はこんな注釈を入れていませんでしたが、温泉好きの視聴者から
タオルを使って温泉に入るとは何事だ!
というクレームが多くなってきたため、仕方なく入れるようになったようです。タオルを着用しないと撮影できないのでしょうがないですね。
※スタッフが美味しく頂きました
バラエティなどで食べ物を残したシーンに入れる定番フレーズ。
この文言は、wikiにも載ってるほどの有名なフレーズ↓
wikiの説明によると「食べているかどうか、その信憑性には疑問を挙げる声もある。」とのことですが、はっきりいって食べていないです。このテロップはウソと思ってもらって大丈夫です。
それでも入れる決まりになっているから、入れるのです。
注釈テロップとはそういうものなのです。
※特別な許可を得て撮影しています
色んな番組で見かける注釈テロップ。
普通では入れない場所、公共の場所で特別な撮影方法によるロケをする場合、この文言を使います。ぶっちゃけどんな状況にも対応できる万能の注釈テロップです。
例えば、先日の『モニタリング!』では、熱海のサンビーチの遊歩道でパルクール選手によるドッキリのロケが行われました。その際、一般人がこのアクロバティックで危険な技を真似しないよう注意を促すテロップとして使われています↓
※◯月◯日に収録(放送)したものです
再放送の時には番組冒頭に「この番組は◯月◯日に放送されたものです」という文言を入れる決まりになっていますが、最近ではコロナの影響で、外でロケしている番組には必ず『◯月◯日に収録したものです』というテロップが入るようになりました。
コロナで大変な時期に
集団でロケするとは何事だ!
ウイルスを撒き散らす気か!
いや、収録日はコロナの前ですよ。
ご安心を〜
というメッセージですね。
他にも、突然亡くなった方や問題(犯罪)を起こしたタレントさんが出演している時などの緊急対応として使われることもあります。
亡くなった方の場合は再編集せずに、あえてこのテロップを入れてそのままの放送を優先させることがありますが、犯罪などで逮捕されたタレントさんが出演している時は、再編集するのが原則です。しかし、再編集には時間がかかります。「当日の昼に問題が発覚してその日の夜に放送」みたいな時はこのテロップを入れるしかないのです。
まとめ「コンプライアンスが厳しい」
注釈テロップは、そのほとんどが「クレーム対策」です。
コンプライアンスが厳しいため、これからもっと注釈テロップは増えると思います。新しい文言が開発され次第、どんどん更新していきます。
上記の他にも「こんなテロップが入ってた!」というのに気づいた方は、ぜひコメント欄に書き込んで下さい!よろしくお願いします。
その他、芸能界の裏側、AD・ディレクター・プロデューサーの実態を暴露する僕のYouTubeチャンネル『ぼやきDのテレビの話』の方でもたくさんの話をしています。ぜひチェックよろしくお願いします!
コメント
最近だとコロナ対応で、「○月○日に収録しました」「現在は営業休止中」とかありますね。
自分は気にしませんけど、クレームを入れる人は気になるんでしょうね。
お察しの通り、完全なるクレーム対策です。
テロップ入れてもクレームを完全に防ぐことはできません…