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テレビADの仕事は「リサーチ」と「仕込み」が超重要。

テレビ業界の真実

 

以前の記事でADの仕事内容を詳しく紹介しましたが↓

【就活生用】テレビADの仕事内容を日本一詳しく紹介!番組制作の流れ
テレビADは「雑用係」とか「底辺」というイメージが強いですが、実はその通りです。ADの仕事内容を現役ディレクターの僕が、どこよりも詳しく、分かりやすく解説します。これでADのほぼ全てが分かります。

ADの仕事の大半を占め、真価を問われる仕事が「リサーチ」「仕込み」です。

 

ADの仕事「リサーチ」

例えば「豊洲市場の新グルメを食べ尽くそう!」という企画でVTRを作ることになったとします。

ディレクターが

ディレクター

ロケは4店舗!

タレント2人で食レポ!

と、企画を立て始め、

ディレクター

豊洲市場でロケできそうな
面白いお店調べて!

という、(曖昧な)指示が飛んできます。

実際にロケをするのは4店舗でも、豊洲市場には40店舗ほどの飲食店があります。
寿司、中華、洋食、とんかつ、喫茶店など様々。

(豊洲市場:魚がし横丁マップ↓)

ディレクターは、40店舗の中から4つに絞らなければなりませんが、「お店を絞るための判断材料」を見つけてくるのがADの大事な仕事です。

いわゆる「リサーチ」です。

・毎日必ず行列ができるほど人気
・超大量にウニがのってる
・500円で食べられる

などなど、テレビ的に特徴がある店をADなりに考えてピックアップします。

ネットリサーチだけでは情報が薄いので、お店に電話して調べたり、直接現地にロケハンに行ったりもします。いいお店が見つかった!と思っても「取材NGです」みたいな事もよくあります。

そんな苦労の末、ADが取材可能なお店を5、6店舗に絞ってディレクターにプレゼンします。

AD

このお店いい感じです!

どうっすか??

するとディレクターは、

 

ディレクター

ここのお店知ってるけど、

美味しくないからダメ!

ディレクター

ご主人のキャラはいいの?

客はたくさん来るの?

ディレクター

なんで寿司屋ばっかりなんだよ!

中華とかスイーツも調べて!

ディレクター

なんか面白くないから

もっと面白いお店、探して!

(曖昧)

みたいな感じで、好き放題色んな事を言ってきます。

AD

(だったら自分で探せよ…)

と、心の中で思っても口に出してはいけません。

追加リサーチプレゼン追加リサーチプレゼン・・・

こんなしんどい作業が、ディレクターが納得のいく4軒が決まるまで何回でも繰り返されます。

ディレクターからOKをもらい「やっと決まった!!」と思ったら、プロデューサーから

プロデューサー

今回のタレント、ウニ嫌いなんだって。

ウニ丼のお店はダメだ〜。別のお店にして〜。

とか、言い始めたりします。

 

AD

(いや、そんな重要な情報もっと早く言えよ…)

※たまにある

 

 

リサーチやり直しプレゼンやり直しプレゼン・・・

 

こうした長〜いリサーチとプレゼンを繰り返して、ようやく取材先が決まるのです。

 

ADの仕事「仕込み」

取材先が決まったら、次は「仕込み」です。

「仕込み」とは、要はアポどりのこと。

仕込みは電話で行うことが多いですが
ただ「ロケに行く時間を伝える」だけではダメです。

【ロケの撮影内容】
・お店の外観・内観
・タレントが食べてレポート
・調理工程撮影(魚をさばく、盛り付ける)
・商品の物撮り
・お客さんにインタビュー
・ご主人にインタビュー

↑以上の内容を細かく、しっかりと先方に伝えて、

『段取りを考える』
・どれから撮影すればスムーズにいくか?
『お店側に協力してもらう体制を作る』
・お店に撮影内容を細かく伝え、理解してもらう

というのが「仕込み」です。

ADの仕込みが不十分だと、ロケ当日になって

えっ?マグロ丼も撮るの?

売り切れちゃったよ。

えっ?俺も映るの?聞いてないよ。

インタビューなんて無理無理!

ちょっと〜、まだ終わらないの?

あと10分でドラマの再放送始まっちゃうんだけど〜。

などなど、様々な問題が起こってロケが成立しなくなる場合があります。

AD

マグロ丼5人前は用意して下さい!

ご主人のインタビューも撮ります!

再放送は録画しといて下さい!

ということを事前にしっかり説明していれば防げた問題であり、それをできなかったのはADの責任になります。

AD

ちゃんと電話で説明したんですが…

と、言い訳するADがいますが「相手にしっかり伝わってないと」意味がないのです。

取材先の人は、撮影に慣れていない一般の方です。

そんな方にも分かりやすく正確にロケ内容を伝え、ロケが段取りよく進むよう裏で動く!

これが「仕込み」の真髄であり、まあまあ大変な仕事なのです。

 

ADの仕事は番組の質を左右する

ディレクターはADのリサーチした情報をもとに台本を書きます。

リサーチが不十分だとネタが弱くなるし、仕込みが不十分だとロケがスムーズに進行せず、必要なものが撮れない場合もあります。

リサーチと仕込みは、番組の面白さに直結するのです。

できるADは一発目のプレゼンで、面白いお店をばっちりラインナップしてきたり、ディレクターが気づかなかった思いもよらないおもしろ情報を見つけてきたりします。

そのおもしろ情報がVTR一番の笑い所になる事もあります。

こういうADがいると、ディレクターは楽できます。

ADは「雑用係」なんて言われますが、
番組の質を左右する重要な人物でもあるのです。

 

 

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