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ADが辞める理由は4パターン【TVディレクターが解説】

ADの真実

ADの離職率は1年で50%!

ADの離職率はハンパないです。

これはただの噂ではなく事実であり、
僕がいた制作会社の離職率は1年で50%でした。

入社したときに20人以上いた同期は2年目には10人になり
5年目には0〜3人になります。

ほとんどのADは辞めます!(断言)

 

どうしてADは辞めてしまうのか?

まずはADの仕事内容について超詳しく解説しているので、ザックリと理解をして下さい↓

【就活生用】テレビADの仕事内容を日本一詳しく紹介!番組制作の流れ
テレビADは「雑用係」とか「底辺」というイメージが強いですが、実はその通りです。ADの仕事内容を現役ディレクターの僕が、どこよりも詳しく、分かりやすく解説します。これでADのほぼ全てが分かります。

僕は6年半くらいをADとして過ごしました。
(人より長い方だと思います。)

辞めていく同期や後輩をたくさん見送りつつ生き残ってきた僕なりに分析すると、その理由は以下の4パターンが非常に複雑に絡み合っていると思われます。

 

ADが辞める理由①「体力的な問題」

まあ、多少は激務な業界ですから。
徹夜したり家に帰れなかったりはたまにあります。

それって就職する前から

みんな知ってることでしょ?

と思ったりするのですが、ある程度の激務を覚悟して就職してきても、実際に体験するとやっぱりキツイ部分があるようです。

・家に帰れない
・風呂に入れない
・寝られない

これはテレビの働き方としては当たり前のことであり、避けられないものなのです。

しかし、働き方改革のおかげで今は昔のような体力的な辛さはなくなりました。

2年前くらいまでは24時間労働だったけど、今はキッチリ8時間労働で残業もほとんどなし。土日はオフィスに人がいなくなりました。休みも最低、週1日は確保されるようになっています。

ADが仕事をしない分、ディレクターが己の裁量でカバーしなければならないため、ディレクターはまだまだ体力的にキツイのですが、一番過酷だったADたちは逆に楽チンになりました。

理由①は、近い将来なくなるかもしれません。

(テレビのホワイト業界化の話はこちらにも書いてます↓)

テレビ業界が急速にブラックじゃなくなっている件【もはやホワイト】
ブラック業界の代名詞だったテレビ業界が働き方改革で変わりつつあります。1日8時間労働をきっちり守り、今年の夏休みは10日間。もはやホワイト企業です。テレビ業界の今を現役ディレクターが解説します。

 

ADが辞める理由②「精神的な問題」

一番大きいのがコレだと思います。

僕がADだった頃の悪しき風習(暴力とか)は時代と共に失くなってきましたが、理不尽な事が多い業界です。

先輩ADにありえない量の仕事をガンブリされたり
ディレクター、プロデューサーに強く当たられたり…

理不尽さはどの業界にもあることだとは思うのですが、「体調を崩しました」といって辞めていくADや、飛んじゃうAD(飛ぶ=ある日突然音信不通になること)は、体力ではなく精神的な理由が大きいです。

ディレクターにも色々な種類の人がいて
中には「精神的にADを追い込むディレクター」も存在します。

残念ながらどの会社にも一人はいるので、ADをやってると必ず『ディレクターに詰め寄られる』時は来ます。そこを乗り越えましょう!

ちなみに、

AD

家族の体調が悪くなったので

いろいろ大変で辞めます…。

という理由で辞めていくADがよくいますが、

そういうADは、家族ではなく自分の体調(精神)がいろいろ悪くなってしまった可能性が高いです。

 

ADが辞める理由③「ディレクターに昇格できない」

一番悩ましいパターンです。

体力も精神もそれなりに強く頑張っているベテランADが、ディレクターに昇格できず辞めてしまう場合があります。

ADは5年目を過ぎると同期がディレクターになったり、後輩がディレクターになったりするので、ちょっとした焦りが生まれてきます。

6年半ADだった僕も5年目、6年目の時は後輩に追い抜かれまくっていたのでかなり焦っていました!

これは本人の能力の問題もありますが、取り巻く環境や運が悪い場合もあります。

【運の悪い環境とは】
・上のディレクターが詰まっていて上がれない 
・下のADが育たなくて、上がれない 
・昇格を決断する人(プロデューサー)に嫌われている
・働き方改革の影響

最近できた環境のひとつに「働き方改革」があります。これを「運の悪い環境」に入れているのには理由があります。

それは、ブラックな働き方がなくなって定時で帰れるようになったため「自分から進んで勉強するAD」でないと実力がつかなくなったからです。今までは強制的に働かされる中で自然と能力が上がっていったのですが、今はその環境がなくなりました。

正直、今のADたちが僕ら往年のディレクターたちに追いつくためにはかなりの時間がかかると思います。

というか、このままの状態で普通に働いていたら一生追いつけないと思います。

また、昇格を判断するプロデューサーや先輩ディレクターたちに嫌われていたらいくら能力があってもディレクターにはなれません。

僕も6年半ADをやりましたが、それは能力的な問題ではなくプロデューサーに嫌われていたためだと自分では勝手に思っています。

俺をディレクターにしないなんて

プロデューサーと会社が無能だ!

と、当時は本気で思っていました。
(だから会社を辞めてフリーになったんですが…)

勘違いかもしれませんが、それぐらいの気持ちがないと5年以上のAD生活は耐えられないかもしれません。

中には、10年経ってもディレクターに昇格できないADもいます。

ただ!

10年経ってもディレクターになれない場合は根本的にセンスが無い!という可能性も高いです。

(さすがに10年はちょっと…)

 

AD

えっ?12年目なんですけど…。

(実話)

という人が僕の番組にもいるのですが、そのADはぶっちゃけセンスが無いです。

多分、何年続けても無理です!
時間が勿体無いので今すぐ辞めましょう!

世の中にはテレビ以外にも面白い仕事はいっぱいあります!

自分は能力不足なのか?環境のせいなのか?

しっかり自分で見極めて判断することが必要です。

環境が悪い場合は今すぐ別の会社に転職しましょう。

AD

いや、俺はADの仕事が大好きなんだ!

ADを極めるんだ!AD王になるんだ!

みたいなADという職業自体が大好き」という変人だったら別ですが…。

(30歳超えADの悲しき実話↓)

後輩に先を越された30歳超えADの特徴【悲報】
10年以上AD期間を過ごしながらもディレクターに昇格できない30歳超えADの特徴を解説します。僕の番組にも2人ほどいますが、自分で何とかするしかありません。ベテランADさんはぜひ参考にしてください!

 

ADが辞める理由④「テレビはオワコン?」

テレビディレクターとしては怖いワードですが、
「将来性が感じられない」という理由で辞めてしまった人をチラホラ見ました。

給料が良いのは、テレビ局員や大御所のフリーだけ。
といっても高くてせいぜい年収2000万円程度。局Pなどは暇なわりに貰っているのでおいしいポジションかもしれませんが、フリーのディレクターはぶっちゃけ働く時間に対してのコスパは悪いと思います。

制作会社の人間に至っては、ディレクターになったとしても給料が安いので『金銭面』に関しては夢がありません。(断言)

しかも、今や若者はテレビよりもネット動画を見る時代です。テレビがヤバいのは数字でも出ちゃってますからね。

(テレビの危機に関してはこちらで解説しています↓)

【統計で見るテレビの危機①】ネットの広告費が急成長。テレビは減少
統計で見るテレビの危機の第1弾。テーマは『広告費』。2018年の日本の広告費の総計は6兆5300億円。その内テレビは1兆9123億円。インターネットは1兆7589億円。ネットの広告費が急成長する中、テレビは減少し続けています。

 

視聴率が高い番組は若者ではなく「年配層」に支持されているだけというのが実情です。というか、若者がテレビを見ないので「年配によせてる番組が多い」という感じです。『水曜日のダウンタウン』とか、あんなに面白いのに年配が見ないので視聴率10%いきません…。

若者のテレビ離れが進む以上、テレビが無くなる可能性は確かにあると思います。

が、

「映像コンテンツ」が無くなる事はありません。むしろこれからどんどん、需要が増えていきます。

そして今、
一番面白い映像コンテンツを作る力があるのは「テレビマン」です(断言)

関連記事:テレビマンが続々参入!本気を出してYouTubeで当ててる話

テレビマンが続々参入!本気を出してYouTubeで当ててる話
芸能人だけじゃなくテレビマンもYouTubeに本気で参入しています。本気を出せば働きながらの副業でもできます。せっかくテレビで構成力・編集力を培ったのだから、YouTubeをやらない手はないと思います。無料だし。

 

もしも、動画の世界で生きるなら(今のところは)最高峰のノウハウを持っているのがテレビマンです。

今後、YouTubeにもどんどんテレビマンが参入します。

これからテレビ業界に就職する人は、ノウハウを今のうちに盗んでおいて、のちにネットの世界に移るのも良いかもしれません。

話がそれましたが、ADが辞める理由を分析してみました。

この辺りの話は僕の著書『テレビADの真実』の中でもっと詳しく解説しているので、ぜひご一読下さい。

Kindle本にて発売中

 

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