プレミアの方がオフラインが速い!
テレビ業界では長年『Final cut pro(ファイナルカットプロ)』という編集ソフトを使ってきました。
しかし、とある理由でこれ以上ファイナルカットをアップデートすることができなくなってしまったため、『Premiere pro(プレミアプロ)』という新しい編集ソフトへの移行が進んでいます。
数年前から移行が始まったのですが、
半分くらいの番組が未だにファイナルカットで編集しています。
プレミアを使えるパソコンを用意するのが大変だったり、
長年ファイナルカットに馴染んできたディレクター陣にとって、
プレミアの使い方を新たに覚え直すのが面倒なのは分かるのですが、
今すぐプレミアにした方が良いです。
なぜなら、プレミアの方が圧倒的に優れているからです。
僕も最初は抵抗があったのですが、使い始めたら操作も簡単で、プレミアの方がオフラインも速くなりました。プレミア、マジで超便利です。
今回は、面倒くさがってプレミアに移行しない制作会社やディレクター陣のために、オフラインする時の視点に立って、ファイナルカットよりプレミアの方が優れている点を5つご紹介します。
(※ここからは一般の方向けではなく、テレビマン向けの記事です)
ファイナルカットよりプレミアの方が優れている点
①テロップを入れてもレンダリングがほぼ不要
ファイナルカットの場合はテロップをひとつ乗せただけでもレンダリングが必要になったりするのですが、プレミアではレンダリング不要です。
10個も20個もテロップを重ねない限りはスムーズにタイムラインが動きます。
オフラインの段階から、そこまでたくさんのテロップを入れる機会はないと思うので、実質、レンダリングなしでプレビューまで持っていけます。
(レンダリングしなくても、しっかりテロップまで見られます!)
②MP4もレンダリングなしでOK
プレミアを使って最も感動したのがコレ!
ファイナルカット時代、
MP4形式の動画は全てのディレクターを悩ませてきたと思います。
再生するとカクカクするし、レンダリングに信じられないほど時間がかかるし…。
しかし、MP4を使う機会は意外に多いため、今まではわざわざMOV形式に書き出したり、ワンカットつなぐたびにレンダリングする、という超ムダな作業で時間を大幅にロスしていました。
1分くらいの動画でもレンダリングに10分くらいはかかっていた気がする…。
これは、ファイナルカットがMP4と相性が悪いために起こること。
プレミアはMP4との相性が良いので、MOVと同じ感覚でスムーズにオフラインできます。
③『キーボードショートカット』をカスタマイズできる!
食わず嫌いでプレミアを敬遠しているディレクターにオススメなのが
『キーボードショートカット』の機能です。
実は、プレミアはショートカットキーを自分の好きなようにカスタムできるというすごい機能がついているのですが、
その中に「ファイナルカットと同じ操作方法にする」という夢のような設定があります!
設定の仕方は「Premiere Pro」→「キーボードショートカット」と進んで、
左上の「キーボードレイアウトプリセット」→『Final cut pro 7.0』に設定するだけです。(右下のOKボタンを押すのを忘れずに)
こうすれば、操作方法はファイナルカットと(ほぼ)同じになるので、
慣れ親しんだ感覚そのままに、プレミアでもオフラインをすることができます。
多少操作感が違う部分もあるので、最初は少しやりにくさを感じるかもしれませんが、2日くらい触っていれば自然と慣れます。
やっぱり、ちょっと使いづらいな…
という部分が出てきたとしても、
同じく「キーボードショートカット」の設定画面から、細かくキーボードの設定を変えることができるので、自分の使いやすいようにカスタムしちゃいましょう。
④テロップが入れやすい!
プレミアは、テロップ機能も超便利です。
こちらのテロップをご覧ください↓
この「横浜の夜景」というテロップ。
一文字ずつ大きさや色が違うため、
ファイナルカットの場合は、「横」「浜」「の」「夜景」の4つのテロップに分けないとダメでしたが、
プレミアの場合は、ひとつのテロップで文字の色も、大きさも、角度も、フォントも、何でも変えられます!
しかも、エッジやシャドウ、グラデーションなど、細かく設定できるので、テロップがキレイに入ります。
もはやDEKOです!
(設定画面はこんな感じ↓)
しかもしかも、テロップのフォントデータを登録しておけば、
ワンタッチでテロップが切り替わります↓
(よく使うテロップは登録しておくと便利です!)
僕はオフラインの段階からテロップをキレイに入れときたいタイプなので、非常に助かってます。
ファイナルカットでは絶対ありえない…。
⑤「エフェクト」を複数クリップにコピペ可能!
オフラインしてて、
この素材、暗いから全部明るくしたいな。
と、思った時、
ファイナルカットでは「ワンカットずつ」作業するしかなかったのですが、
プレミアでは、複数のカットを選んで一気にコピペすることができます!
もちろん、明るさだけじゃなくて、
コントラストでもRGBバランスでも音量でも
全てのエフェクト効果を、一気に反映することができます。
明るさや色まで細かく編集したいディレクターにとっては、かなりうれしい情報だと思います。(僕はうれしかった)
逆に、不便になったこと
オフラインしていて「ファイナルカットの方が良かったな」と思う点は3つだけ。
・フリーズ画を作るとき ・画像をクロップするとき ・イン点、アウト点に飛ぶとき
プレミアをすでに使っている人ならわかると思うのですが、
面倒になったのってこれくらいじゃないですかね?
ただ面倒だけど、すぐ慣れるので問題はないです。
はやくPremiere Proにして欲しい
総合的に見て、プレミアの方が圧倒的に便利です。
ファイナルカットにできて、プレミアにできない機能はありません。
どうせ最新のMacではファイナルカットが使えないんだから、はやく全ての番組をプレミアに移行して欲しい。
そろそろ新しいMac買いたいし。
その他、芸能界の裏側、AD・ディレクター・プロデューサーの実態を暴露する僕のYouTubeチャンネル『ぼやきDのテレビの話』の方でもたくさんの話をしています。ぜひチェックよろしくお願いします!
コメント
テレビ業界はびっくりするほど保守的な業界です。
改革はなかなか進みません。